備(そなえ)は、戦国時代から江戸時代において戦時に編成された部隊。
各種足軽(弓・鉄砲・槍)隊、騎馬武者隊、小荷駄隊などで構成され、独立した作戦行動を採れる基本単位を指す。
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戦国時代以前においては律令制に基づく軍団制を除き、備のような系統だった部隊編成は見られない。それは律令制崩壊以後の日本においては「御恩と奉公」という主従関係に基づいた、繋がりを重視する部隊編成を行わざるをえなかったためである。
しかし戦国時代になると領国間の紛争に伴う恒常的な臨戦態勢が必要となり、また足軽といった新たな戦力が加わった結果、戦国大名は軍事行動を行うための軍制整備の一環として、単独での戦闘が可能な備の編成を行う様になった。
戦国初期はまだ備の構成も曖昧なものであったが、大名の中央集権化に伴い戦国中期頃から足軽間での兵科の分離や、騎馬武者も含めた各組ごと編成が行われた。さらに江戸時代になると戦時の大規模な動員もなくなった結果、備の定員はほぼ定まり制度として完成の域へと至った。
備の別称は様々あるが、備も含み異なる意味合いで重複して用いられることが多い。また本来、備は「部隊」程度の意味で用いられており、本項目における用語の使用も凡例の一つと認識する必要がある。これは備のみならずそれより上位・下位の部隊・役職総てに言える事である。
部隊名
「備」「衆」「隊」「組」「勢」「手」…本稿に於ける最小戦術単位としての意味以外にそれらを複数有する部隊又はそれらの数え方を指す(例:織田勢、井伊隊、雑賀衆、先備三手など)事やそれ以下の各兵科単位の部隊又はそれらの数え方を指す(例:槍組、鉄砲衆、弓隊、大番六備など)事などがある。
役職名
「○○大将」「○○奉行」「組頭」「番頭」「物頭」(○○には士、侍、足軽、鉄砲、槍、弓等が入る)…備の指揮官やその指揮下にある各部隊の指揮官を指す。足軽隊の指揮官は足軽が兵科ごとに分離するまでは足軽大将と呼ばれその後、鉄砲大将や長柄大将などと呼ばれる様になった。ここで云う奉行とは、町奉行などの地方(ぢがた)の奉行職とは、全く異なるものであり、町奉行などに任じられる者より、家格は数段上である。